『沢田研二』 「カッコつける」というカッコよさ

スタッフの水野です。

今日はクリスマスですね。
そんな華やかな日にお似合いのジュリーこと沢田研二について書こうと思います。

沢田研二は今でこそ太ってしまいましたが、
全盛期は細身で中性的なグラムロックを髣髴とさせる化粧やファッションで話題になりました。
またただ格好だけではなく、タイガース時代から培った歌唱力もかなり高いものです。

もともとグラムロックという音楽が好きだった僕が、
沢田研二について興味を持つということは自然なことだったと思います。

70年代前半といいますと、『ベルサイユのばら』などの耽美系少女漫画の大ヒットにより、美しい男という存在自体が世間的にも人気があったのでしょう。
イギリスのバンド、クイーンも母国では、
「ハードロック崩れ」「グラムロックムーブメントの残党」などと
揶揄されてイマイチ人気がありませんでした。
しかし日本に来た途端、そのルックスや耽美的な世界観に、
日本の少女たちは熱狂し、スターになりました。
その背景には耽美的少女漫画の大ヒットがあるといわれております。

また、元々彼は(ビートルズやローリング・ストーンズのカバーから始まったといわれている)タイガースというバンドをやっていたのでロック出身でもあります。
1960年代後半のイギリスではビートルズやストーンズなどの黒人にルーツを持つロックンロールがティーンを熱狂させていましたが、時代は移り変わり、
1970年代初期のイギリスでは、デヴィッド・ボウイやT.REXなどのグラムロック勢がティーンを沸かせていました。
ちなみにその頃ストーンズは、リーダーのブライアン・ジョーンズを亡くし、
人気も少し低迷気味であり、ブームにあやかろうととりあえずケバケバしく化粧をしたほどです。
おそらく沢田研二もこのグラムロックという音楽については当然チェックしていたことでしょうし、そこからヒントを得たのでしょう。
耽美的少女漫画が大ヒットしている日本に、グラム(グラマラス)ロックを持ち込んだのは偶然かも知れませんが、見事な化学反応だと思います。

元々化粧の似合いそうな女性っぽい顔に加え、少し危険な雰囲気があるというのは、
現代においても人気があることでしょう。

しかしそれに加え、彼にはキザな「ジゴロ」っぽいイメージがあります。
これは現代において、最も倦厭されそうな要素だと思います。

彼の代表曲の一つである『勝手にしやがれ』にもそのイメージがあります。
女にフラれた男の歌ですが、いつものようにカッコつけたくても、カッコがつかないのです。
 
「行ったきりなら幸せになるが良い、戻る気になりゃいつでもおいでよ」
僕はこのBメロのこの歌詞はすごいと思います。
この一行でこの歌の主人公がどういう男なのかが分かる気がするからです。
ワガママで、甘えん坊で、子どもっぽい。
どうしようもない弱い男なんだというのが伝わってくるのです。

また二番のBメロは、
「別にふざけて困らせたわけじゃない、愛というのに照れていただけだよ」
と、キザで少しロマンチックな一面を覗かせます。
時として「不器用」という言葉は魅力を持ったりします。
あまりにも器用で賢い男よりも、正直で不器用な男の方がカッコよく思えたりするものです。

サビにある「せめて少しはカッコつけさせてくれ」という歌詞はそんなジゴロのイメージを象徴しているように思います。
彼は弱い男ですが、そんな弱い部分は見られたくないという男なのです。
沢田研二は化粧や派手な衣装を着飾っています。
それがこの歌の主人公のイメージなら、それは彼の弱さを隠しているのだと思います。
 
まずジゴロという言葉自体もそうですが、いかにも昭和な歌だと思います。
僕が言うのも変ですが、現代人は「カッコつける」ということを忘れてしまったのだと思います。
それは「カッコつける」のがカッコ悪いというイメージがあるからです。
しかし、僕はそうは思いません。
どんなカッコいいものでも「カッコつけて」はじめてカッコが決まるものなのだと思います。
 
すべてはその時代の流行によって決まりますが、
僕はこれを見て本能的に「カッコいい」と思えることを嬉しく思います。

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