幻想的な世界、久保田早紀『25時』の怖ろしいほどミステリアスな歌詞

こんばんは、スタッフの水野です。
 
今回は久保田早紀の『25時』について書こうと思います。
 
この曲は『異邦人』の次に出されたセカンドシングルであり、曲調も異邦人から引き続きワールドミュージック的な雰囲気があります。
 
僕は昭和歌謡には意識的にではないのかもしれませんがどこかワールドミュージックに共通するものがあると思います。
それは、日本の歌謡界にアメリカやイギリスからロックがもたらされる以前は、ラテンミュージックが既に入ってきていたからといわれています。
 
しかし、この久保田早紀は意図的にワールドミュージックをやろうした人です。
久保田早紀は子どもの頃から、海外で仕事をする父親からのお土産であるイランのポップスを聴いたり、ポルトガルの民族音楽ファドのレコードを自分で買って聴いたりと、ちょっと変わった性格の少女だったそうです。
ワールドミュージック的な音楽がヒットし、彼女はその路線でアルバムを三枚だします。
三枚目の『サウダーデ』はポルトガルで録音され、ファドの影響が前面に出されたものになっています。
もはやポップスではなくなった彼女の音楽は大ゴケし、4枚目から彼女の音楽はポップス路線に変更されます。
そして最終的には、エキゾチックな音楽でもポップス歌謡でもなく、神秘的で幻想的な世界観の音楽性になります。
 

 
僕はどうしてもエキゾチックな雰囲気の初期の曲が好きで、この『25時』もお気に入りの曲の一つです。
イントロからもう激シブ。シブいです。
演奏が極力抑えてあるといいますか、派手なホーンなどは入っておらず、ところどころドラマチックにストリングスが入りますが、基本的にはピアノとベースとドラムだけのシンプルな演奏が印象的です。
 
歌詞も独特です。
「大陸の果ての空に、銀河の光薄れて、ゆらゆらと麝香色の夜明けが訪れる」
「紫の地平線に神々の声が響く、”幸せを粗末にした報いが来たのだ”と」
「朝焼けの廃墟に立ち、痩せた影歩ませれば、さらさらと身体が崩れてしまいそう」
コイツちょっとやべえぞ!って思うくらいに幻想的な歌詞です。
 
そしてタイトルの『25時』。これはなかなか分かりにくいタイトルだと思いますし、僕も意味が分かりません。
この曲のストーリーは多分、失恋した女の人がそれを引きずっているのでしょう。
「幻さまようあなたの巡礼」とあります。終わってしまった日々に思いを寄せているのです。
一日は24時間で終わります。きっと25時とは終わった時を表しているのでしょう。
それにしても、曲中に『25時』という言葉は出てきませんし、なかなか象徴的なタイトルだと思います。
この人は、この歌詞といい、あの可愛いけどどこか人形のようなちょっとミステリアスなルックスのイメージも大いにあると思いますが、すごく幻想的で非現実的でちょっと怖いような印象を受けます。
僕は久保田早紀を聞くと、なぜか天野喜孝の絵を思い出します。
 
amano
 
一般的に、久保田早紀は『異邦人』の一発屋のイメージが強いのもあるのか、その美しい容姿と歌声は評価されても、ソングライターとしての評価を聞くことは少ない気がします。

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