情熱的に誘惑する若かりし頃の郷ひろみ 『裸のビーナス』

スタッフの水野です。
 
先日、何年かぶりに(おそらく大人になってからは初めて)海に行ってきました。
昭和歌謡曲には海を感じさせる歌もたくさんあります。
僕が好きな歌で郷ひろみの『裸のビーナス』も夏、海を感じさせます。
この曲は1973年の6月に発売された郷ひろみの五枚目のシングルです。
 
Hiromi1
 
ジャケットの、王子様のような、ギリシャ神話のアポロンのような格好をした初々しい郷ひろみの写真が印象的です。
 
渋いマイナー調のメロディに乗る甲高い郷ひろみの声が栄えます。
この頃の郷ひろみはまだ変声期を迎えていないのか(いや、55年10月生まれならこの曲が出た当時はすでに17歳のはずだからさすがにそれは無いか)、今でもヘリウム声ですが、そのヘリウム感を存分に味わえます。
しかし、この曲は演奏も最高です。
終始左スピーカーから刻まれるマラカスがこの曲をイメージ付けています。
 
イントロ後のAメロへのブリッジがかっこいい。こういう昭和歌謡らしい盛り上げ方が最高です。
郷ひろみの歌が始まると、バックで女性コーラスが入ります。
このコーラスはルート音を追っているだけのメロディなのですが、それだけでこれほどまでに美しいということは、いかにこの曲のメロディが美しいかを物語っています。
ファンクっぽいカッティングギターも渋くてかっこいいです。
効果的に「グゥーン」とするのが(この奏法の名称が分からない・・・)むちゃくちゃかっこいいです。ジョニー・サンダースばりにそれを連発させるサビ後は特にです。
 
サビの灼熱の太陽を感じさせるようなメロディも情熱的で本当にかっこいいです。
ここでもギターがコーラスに添う形で動くのも細かいですが良い味を出しています。
サビの後に(曲のテンションの)下がりどころがあります。
こういう下がりどころを作るのは曲を単調なものにしない為によくあることなのですが、ここでリズムを完全になくしてしまい、テンポも少し失速させるのはやはり、曲の中で歌を一番に考え、ノリやリズムを二の次、三の次に考える日本の音楽らしく感じます。
 
そしてなんといっても歌詞がキザ!
いきなり誘惑しています。
少女だった山口百恵に『青い果実』で信じられないようなことを歌わせることもありますが、少年の郷ひろみにこういうキザで誘惑的なことを歌わせるのも同じ効果を狙っているのでしょう。
ギャップが人の心を掴むとよく言われますが、これもそういうことだと思います。
しかし、この場合、その振れ幅がむちゃくちゃ大きいです。女の子のような顔のあどけない少年に熟練の恋愛達人のようなキャラクター設定を持ってくるのはドラマチックというかファンタジックで面白いです。
日本にアイドル文化というものが古くから根付いたのは、こういうタブーみたいなものを作りやすく、なおかつ、心の底でそれを求めてしまう国民性、社会性があるからかもしれません。
 

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